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FANS委員会は、CNS/STMの概念に衝突防止システムを入れることを拒んできている。この委員会は、状況監視、ADS−Bおよび交通情報の放送は必要ないと考えている。
3.1.1.3.2 選択の困難さ
3.1.1.3.2.1 航空業界は航空の真の要件をとりまとめ標準化されつつある手段を選択しなくてはならない。ICAOはこの選択を行う際の中心的な役割をになう。しかしながら1995年のCOM/OPS会議で精測進入のためにILS、MLS、GNSSのどれかを選択することができなかったように、この選択をすることはまことに困難である。
3.1.1.3.2.2 有益性
選択を行うことによってまず便益が得られないことには話にならない。各国は航空機運航者に対して長い移行期間と投資を強いるようなことはもうできない。
3.1.1.3.2.3 選択肢の相互依存
これらの選択はけっして独立ではない。1つのデータリンクだけを選択しでもすべての要件を満足させることはできない。
航空機がアプローチを行う際、タワーとの音声交信用にVHFトランシーバを装備し、VDLモード1あるいはモード2を装備し、STDMAでのADS−B機能を持ち、VDLチャネルでディファレンシャルGPS信号を受信し、GPS障害時のためにVOR受信機を装備し、AOC用にVHF帯を利用するといったことを強いることはできない。VHF帯をこのように利用すればたくさんのアンテナを装備しなければならず、電波干渉が発生する。VHF帯も飽和してしまう。
3.1.1.3.2.4 概観
航空業界は、問題を提起するマトリックスを作成する必要がある。マトリックスの横軸は、CNS/ATM装備機の運用機能である。
a)ディジタル化された音声通信
b)航空機間の通信を含むタイム・クリティカルなCPDLC
c)カテゴリ1とカテゴリ2/3の中間に位置するGNSS補正情報の放送
d)管制間隔の比較的短い時と長いときのADS−B
マトリックスの縦軸は、利用できる技術である。これには、VDLの各モード、STDMA、モードSの拡張スキッタが含まれる。このマトリックスを完成させることにより運用機能に最も適した技術を見つけることができる。
3.1.1.3.3 このような問題に対してICAOのどのパネルが対応できるか
3.1.1.3.3.1 このような通信技術をICAOのどのグループが選択できるかをいうことは難しい。
新しいグループを設置することは時間がかかりすぎる。したがって既存のグループにまかせるかAMCP、SICASP、AWOP、ATNP、ADSPから専門家を集めICAO事務局内にグループを設置するかしなければならない。ADSPがこの任には最適ではないか。
3.1.1.3.3.2 AMCPの可能性
AMCPは年に2週間の会議を3回、2〜3回のサブグループ会議を開くことにしている。AMCP

 

 

 

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